2008年9月10日水曜日

夢の街



夢の話を書こうと思う。といっても両手じゃ抱えきれない夢でも、ほろ酔い気分で行けるとこまでいく夢でもない。夜、寝てる時に見る夢の話だ。

夢というやつは本当にとりとめがない。しかも連続性も基本的には皆無で、今日の夢の続きを翌日見るなんてほぼ不可能だ。

ところが自分の見る夢は、連続性こそないが、関連性は存在する。というのは、舞台がほぼ毎回一緒なのだ。

それも閉じられた室内とかではない。完全に街になっている。しかもかなり広い。駅でいえば3、4駅に相当するぐらいの広さなのだ。

もし地図に描け、といわれれば、たちどころに描くことができる。それぐらい、夢の街の地理を把握している。だから夢の中の自分は、完全に勝手知ったる我が街気分で歩き回っているのだ。

この夢の街、恐ろしいことにオリジナルなのだ。もちろん過去に行ったことがある街がベースになっているところもあるのだが、冷静に検証してみると、モデルとなる場所が存在しないところも多々ある。もちろん記憶があやふやになっているだけの可能性もあるが。

スタート地点はだいたい駅、それもかなり高台にある駅だ。

これのモデルは比較的はっきりしている。ポートライナーの三宮駅だ。まぁ神戸出身の自分ならありそうなことだが、実際はモデルになった三宮駅とはだいぶ違う。山岳の途中にあり、眼下にはテーマパークのような街並みが広がっている。

ホームを降りて長い長い階段を降りて改札を出ると、山岳はどっかにいって、わりと広々した光景が―もちろん街中だが―広がっている。

まぁこうやって説明していくとキリがないのでやめるが、全体的な空気感が神戸ではなく、東京に近い。どことなく新宿南口や恵比寿を思わせる光景があるのだが、実際にそういう場所は存在しておらず、おそらく夢の中で作り出した風景なんだろう。

夢の街で繰り広げられる事象は様々で、おそらく他の方々が見る夢と同じく、まったくとりとめがなく、中にはやたら残酷なものもあったりする。

子供の時には(その時分から今よりずっと小規模ながら夢の街は存在した)それこそ飛び上がって起きるぐらい怖い夢も見たが、最近はさすがにそれほど強烈なものは少ない。

それでも寝覚めが悪かったりする夢も多いし、逆にはね回るぐらい楽しい夢の時もある。またトイレを探し回ったりもしたこともある。

まさに何でも入る、おもちゃ箱のような街で、愛着もあるが、薄気味悪い気分もある。

そうそう、もうひとつ不思議なのは、この街に行きたい、と念じて寝ると、絶対に出てきてくれないのだ。ミステリアスというか、いや、夢は本当にコントロールできないもんだなと実感する。

たぶんこんな文章を書いたから、夢の街はしばらくでてこないような気がする。それはそれで寂しいが、ほっておけばそのうちまたふらっと出てくると思う。

しばらくはそんな、さくらや、おいちゃんやおばちゃんのような気分で待とう。うん。