2012年10月24日水曜日

ネット社会の威力

なんだか前回とは正反対のことっぽいですが。まあナントカとナントカは使い様ってことで。

そういえばアタシがイギリスに滞在することになったと聞いた友人がこんな反応をしました。
「今の時代、海外といってもドラえもんを連れて歩いてるようなもんだからなぁ」
ドラえもんとはiPhoneをはじめとするスマフォを指しているのですが、これは至言です。
その友人は20年ほど前にヨーロッパを周った経験があるのですが、当然その時代にはiPhoneなんてもんはない。だから全部ガイドブックや口コミで調べていったそうです。

たしかにiPhoneはかなり四次元ポケットの代わりをしてくれます。
一番わかりやすいのがGoogle翻訳をはじめとする翻訳アプリで、翻訳コンニャク寸前です。
どこでもドアはないけど、身体自体を移動できないことを除けば、ポケットの中にどこでもドアを入れているのと同じで、手紙は瞬時に届くし、顔を見ながら話すことだってわけない。
情報だってそうです。日本でさっき配信されたばかりのニュースをリアルタイムで読むことができる。
変な言い方ですが、インターネットにさえ繋がっていれば、自宅警備員と変わらぬ情報を取得できるのです。
(残念ながら自宅警備員ほど時間がないので取得できる総量は少ないですが)

ちょっと話は逸れますが、インターネットがない時代、テレビ中継もラジオ中継もないプロ野球の試合の速報を知りたければ、まあほとんど毎試合中継があった巨人戦を見るしかなかったのです。
短くて30分、長くて1時間に一回の割合でやる「他球場の途中経過」をひたすら待つしかなかった。
しかも速報といいながら全然速報じゃなくて、実はとっくに試合が終わっているのに「甲子園球場の阪神対大洋戦は7回の表を終わって3-2で阪神がリード。ピッチャーは・・・」ってくらいのタイムラグがあったんです。

まあそんな時代を経験してるから余計になんでしょうが、海外にいようが阪神の試合経過もほとんどタイムラグなしで知ることができるという、インターネット社会ってもんの威力を痛感しました。
もっとも今年はあまりにも阪神にたいして腹が立ってたから、経過もあんまり気にならなかったけど。

しかしこれは諸刃の剣でもあるんです。
便利にはなったけど言い方を変えれば楽になったともいえるわけで、「解読」という作業が必要なこっちのテレビを見たり新聞を読まなくても、いくらでも日本の情報を日本語で知ることができる。
水は低きに流れますからね。そりゃ頑張って辞書片手にMetro(ロンドンで無料で配ってる新聞。タブロイド版)を読むより、2ちゃんねるのまとめサイトを読んでる方が楽だし、頭にも入ってきやすい。
だからこそどうやって「日本語絶ち」をするかが重要になるわけで。とはいっても現実的には完全に絶つことは難しいし、頭を休めることも必要なんだけどね。

まあ今後その辺の話でもしていきます。

2012年10月23日火曜日

イギリスに滞在しているわけだが

唐突ですが、8月の末からイギリスに滞在しています。
そうです。前回iPhone5買ったよー、しかもSIMフリー版だよー的なことを書きましたが、つまりUK版を買ったわけです。

今回はそういうことを書こうと思うのですが、その前にひとつ言い訳を。
前回更新できなかった間に書き溜めたテキストを順次エントリする、みたいに書いたのですが、あらためて読み直すと、見事なまでに時流にそぐわないネタばっかりなんですね。
たとえば「今阪神は五割前後をウロウロしてますが」とか。いったいいつ書いてん!みたいな話ばっかりで。
しょうがないのでこれらのネタは全部ボツにします。今後流用する可能性はあるけど。

さて何のためにイギリスに滞在しているのか、けして遊びにきているわけじゃありません。とはいえいろいろややこしいので、まあ勉強しにきた、という表現にとどめておきますが。
んで何を書くかというと、いかにネットの情報がアテにならないかを書こうかと。
今回の滞在はそこそこ長いので、4月に一度、事前調査に行きました。
他にも在英の知人らに情報をもらいつつ、さらに足らないことや、わざわざ聞くまでもないことはネットで調べて準備をしたのです。
ところがネットの情報がいかにデタラメか、思い知らされることになりました。
といっても参考にしたのは某巨大掲示板などではなく、在英日本人のブログやSNS、生活情報を載せている企業サイトなどです。
ひとつ例をあげます。
とあるところにこんなことが書いてありました。
「イギリスではボールペンがものすごく高い。使い捨てのものでも高い。ですから日本からまとめて持っていくことをお勧めします」
大嘘でした。むしろ日本より安いくらいでした。おかげて大量に持っていったボールペンはほとんど無駄になりました。
イギリスはとにかく物価が高い、というのも事実とは大きく異なり、食料品などは日本よりも全然安いのにはびっくりしました。
もちろんこれは昨今の円高の影響もあります。数年前の基準(1ポンド=240円前後)だったとしたら約倍近くになるのですが、それでも日本と同じ、もしくはやや安いレベルなのです。
ただしロンドン市内の家賃は馬鹿高いです。現在のレートでもほぼ東京と同じくらいといえばわかってもらえるんじゃないでしょうか。
ですから物価に関してはネットの情報が意図的に嘘を書いてとは思いません。
またあまりにも在英期間が長い人の場合、日本の物価の感覚が抜けてきている、というのもあるでしょう。

もうひとつ、日本では手に入りやすいけど、イギリスでは手に入りづらい、というものがあります。
これも正直ネットの情報にかなり振り回されました。
はっきりいえば生活必需品はほぼ何でも、どこでも買えます。そして値段はさっきも書いた通り、安いくらいです。
が、少し専門的なものになると途端に難しくなります。
たとえばこっちにはヨドバシカメラやビックカメラのような大型家電量販店がありません。ローカルまで足を伸ばすとそれなりの大型店舗はあるのですが、品揃えは日本のヨドバシなんかとは比べ物にならないレベルです。もちろん悪い意味で。
特にパソコン関係はヒドイもので、秋葉原はおろか、日本の地方都市レベルにすら及びません。
こっちに来た頃にmicroUSBケーブルを買おうとして、かなり探し回ったりしました。そんなもん日本ならどこの駅前でも買えるのに。
その反面、日本でしか手に入らないと思っていたものが意外とすんなり買えたりするのもフシギなところで、醤油やワサビなんかはどんなスーパーでも買えますし、お米の入手も簡単です。極端にいえば日本食材店に行けばほぼ何でも揃えることができます。もちろん値段は倍ほどしますが。

ま、このネタもアップした途端、単なる「ネットの情報」になるので、信用しない方がいいのかもしれませんがね。エントリして数日はともかく。
というわけで、もし検索でここにこられた方へ。ここで書いたことも、エントリの日付を見ていただいて、一年以上経ったら、無視して差し支えないレベルだとお考えください。