2009年1月31日土曜日

考えるな

考えて考えて、それで本当に良い結果がでるのだろうかと考えると夜も眠れない。

楽天イーグルスのスローガンが「氣」になったそうだ。去年が「考えて野球せぇ!」だったから180度方向転換したといえる。
考えたのはもちろん野村克也監督。なぜこうも違う方針を打ち出したか、そもそも考えて野球するということに無理があったように思う。
まだ「考えて練習せぇ!」ならわかる。しかし実戦中に考えてたら余計なミスが増えるだけじゃないか。
人間一度に多くのことは考えられない。考えることが増えれば増えるほどミスをしてしまう確率が高くなってしまう。
じゃあどうすればいいのか、これは簡単だ。実戦で考えなくても様々なことが実行できればいいわけだ。
そのためにはどうしても練習というものが必要になってくる。つまりは「こういう状況の時はこういう風にする」というのを身体に覚え込ませるわけだ。
考えて行動するんじゃなくて、いわば条件反射のような形で行動する。この方が絶対的にミスは減る。

自動車の運転にたとえるとわかりやすい。最近は減ってきたが、マニュアル車を運転する場合。
まずクラッチを踏む。次にギアを変える。クラッチを離す。厳密にいえば回転数を合わせてやって半クラッチでつないでやる。
こんなことを頭で考えながらやったって到底うまくいかない。ところが何度も何度も練習しているうちに条件反射でできるようになってしまう。
路地に入る時も同じだ。スピードを落として路地の角にあるミラーを確認しながら進む。これも考えながらでは、逆に咄嗟の判断ができなくなる。
あまり考えてないから、何か唐突な出来事、たとえば人や自転車が急に飛び出してきても対応できる。脳味噌に余裕があるからだ。
運転に頭がいっぱいな人の車には同乗したくない。逆に助手席の人とおしゃべりする余裕のある人の車には安心して同乗することができる。

そう、実戦で考えちゃダメなのだ。百戦錬磨の野村監督がそんなことも気づかなかったのは解せない。いや、ヤクルトの監督をやってた頃まではID野球とか標榜しながら、実際は「(相手に)考えさせる野球」をやってたような気がする。
相手に余計なことを考えさせてミスを誘発する、それが野村野球だと思っていたのだが。

相手に考えさせることで勝つチームならあったと思うが、自分とこで実戦中に考え込んでしまって勝てるチームなんて自分はあまり知らない。