2009年1月6日火曜日

や〜まだ

知ってることが多い方が発想の翼が広がるのか、はたまたまったく逆なのか、なんてことを考えると夜も眠れない。

昔、阪神タイガースに山田というキャッチャーがいた。キャッチャーとしてはともかく打者としては何とも非力で
貧打・阪神の象徴ともいえるような選手だった。
この頃まったく野球に興味のない友人とテレビ中継を見ていた時、彼はこの山田を指して
「彼はや〜まだと呼ばれているのか」と質問してきた。
ここでまた説明が必要になる。
「や〜まだ」とは「ドカベン」という野球漫画で、岩鬼なる八方破れの登場人物が主人公・山田太郎をこう呼ぶのである。
アニメにおいて岩鬼の声をあてた玄田哲章が独特のイントネーションで「や〜まだ」と発していたのをおぼえておられる方も多いと思う。

自分はプロ野球編でもスーパースター編でもない「ドカベン」は大好きだったし、プロ野球は今もって大好きだ。
だからこそ阪神の山田とドカベンこと山田太郎がつながらない。
たしかにキャッチャーという共通点はある。だが恐ろしいほどの打撃がウリの「や〜まだ」と打率二割すら危うい阪神の山田とは
イメージがあまりにもかけ離れている。

自分にとってはとんでもない質問をした友人は野球は知らないに等しいが、おそらくアニメのドカベンは見ていたのだろう。
知識が少なかったからこそ「名前が山田でキャッチャーをやってるならニックネームはや〜まだだろ」と思ったに違いない。
そう、これぞまさしく知らないからこその発想なのだ。
よく「童貞のうちが花だ」なんていう。知ってしまうととたんに性にたいしての想像力が落ちてしまう。
じゃあ何にも知らない方がいいのかというと、知らなすぎると発想が似たようなとこでグルグルしそうな気もするし
さっきの話でいえば「ドカベン」に関して多少なりとも知識があったからこその発想ともいえるわけで。

しかし、あれだわ。さきほどの友人、野球に興味がないのに「ドカベン」見て面白かったのだろうか。
そんな人間は彼以外に自分は知らない。