2012年5月13日日曜日

必殺ロマンポルノ

どういうわけか「必殺」シリーズについて書きます。

必殺に関しては「藤田まことのこと(2005年1月17日更新)」のエントリでチラッと触れた程度なのですが、アタシが唯一本気になって見た時代劇であり、おそらく今後もここまで本気でハマる時代劇はないんじゃないかと思ってるくらいです。
たしか中2くらいだったかな。放送時間が結構遅かったので小学生の時は見られなくて、んで実際見たら、何ちゅうオモロイ時代劇や、と。

いやアタシは必殺にハマった記憶を熱く語ろうなんて気はござんせん。そういうのは面倒だからもうしない。
では何を書きたいかというと、必殺のポルノ要素について書きたいなと。
つまり中村主水と妻のりつの関係性についてです。

りつを演じたのは白木万理です。古い映画に興味がある方なら白木万理ならぬ白木マリがどういう存在だったかご存知かもしれません。
前に「やらしい女優」というエントリを書いたことがあります。北あけみや三原葉子の名前をあげて<下品な色気>という観点で書いたエントリです。
白木マリもこの範疇に入る女優で、肉感派、それも京マチ子あたりよりもずっとスケールの小さい、そんな感じの存在でした。
白木万理と改名して必殺でりつを演じる頃は「峠をこえた肉感派」で、非常に微妙な存在だったといえます。
さっき名前をあげた北あけみにしろ三原葉子にしろ、なぜかこの手の女優さんは意外と早く芸能界を引退しており、実際白木マリも一旦引退をしており、離婚してカムバックの折に改名して必殺に出演した、ということらしいです。

一方藤田まことはというと「てなもんや三度笠」をはじめとするてなもんやシリーズが終了し、いわば低迷期でした。ドサ回りをしていた、と藤田まこと本人が語っていますが、世間では中村主水を演じはじめた頃のイメージは「てなもんやの」とか「あんかけの時次郎の」、いやもっとはっきりいえば藤田まこと=馬、だったんです。それくらいしつこく馬面押しでしたから。
まあ一般には馬といえば巨根の代名詞でもあるわけで(馬並っていうでしょ)、実際藤田まことがどうかは知りませんがね。
とにかく藤田まことと白木万理の夫婦というのは「馬」と「元肉感派」の夫婦なのです。
この設定というか配置はどうにもエロい。それも今っぽいエロじゃなくて、日活ロマンポルノ的なエロさです。
その上中村主水は「夜はからっきし」(これ、ホントはそうでもないんだけど)という設定はいよいよロマンポルノ的です。
ま、本当にロマンポルノではないのでりつは若い男に走ったりはしませんが。

ホントのところはどうかわかりませんが、白木万理がレギュラーになったのがちょうどロマンポルノ全盛期ということを考えれば、意識した可能性がなくはないんじゃないかと。
とかいってますが「てなもんや」で藤田まこととコンビを組んだのは「白木」みのるだったので、だったら「白木」万理でいいんじゃね?なんて安直な理由だったかもしれませんがね。