2011年12月26日月曜日

鶴瓶の息子

「鶴瓶の息子」なんていうと、27時間テレビで晒したイチモツの方が有名だと思いますが、そういう話じゃありません。

今やってる朝ドラね、面白いことは面白いんだけど、どうも主人公の性格が一定していないというか。複数の演出家が演出してるからある程度はしょうがないんだけど。
このドラマで鶴瓶の息子が、わりと重要な役で出ていました。はっきりいって演技は拙いといってもいいのですが非常にいい味を出していました。これならいろんなドラマに出れるのではないでしょうか。
それにしてもこの配役は実に巧い。何というか、駿河太郎という人が鶴瓶の息子である、というのが非常に重要なのです。といっても、当たり前ですが、ドラマの中でそういうことは出てきません。

鶴瓶に関しては何度も書きましたが、複雑な多様性があります。この辺が見る人を選ぶのですが、多様性こそ鶴瓶の魅力であり、そこが失われると鶴瓶が鶴瓶である意味がなくなります。

駿河太郎はこの多様性を十分すぎるほど受け継いでいます。
このドラマでの役どころは、表面的には非常に穏和で善人、しかし裏の顔もちゃんと持っている、ある意味難しい役なのです。先ほども書きました通り、演技はとても巧いとはいえない。にも関わらずドラマにバッチリハマり込んでいるのは、もともと持っている素質というか素養というか、以前書いた通り、鶴瓶が持つ「表面的にはいい人だけど、実は腹黒い、しかしやっぱり本当にいい人かもしれない」という要素を駿河太郎も持っているのです。

いわゆる二世タレントは非常に難しく、藤山寛美・直美親子のように親子揃って天才なのは例外中の例外で、他には横山エンタツ・花紀京のように親父天才、息子職人みたいなパターンもありますが、大抵は親子どちらかが劣ってみえるものです。
今現在の評価でいえば駿河太郎は七光りから抜け出していない。しかし親父である鶴瓶のDNAを活かして伸びていけば、類をみない二世タレントになれる可能性があります。
だいたいあの笑顔。あんな笑顔は普通の人にはできないのです。演技云々の話じゃない。鶴瓶の遺伝子が入ってないと絶対できない笑顔なのです。それは才能といいかえてもいい。せっかくの才能があるわけだから、これからいい役者になってほしいな、と思うのです。