2011年4月22日金曜日

スターへの階段

藪似です。昨日は負けたので、関西弁でいうところの「けったくそ悪い」(胸糞悪い)のですが、野球というか阪神の話を書きます。

金本の連続試合出場は思わぬ形で途切れてしまいました。まあ正直遅すぎるのですが、とりあえずはこれでよかったと思っています。
この件で功労者兼悪者扱いになってしまったのが俊介外野手です。
アタシはね、これで彼がスターになる階段を一段上がったと思っているのですよ。といってもまだまだスターとしての実力も実績もありません。
でもですね、スターになるにはいくら実力があっても実力があっても関係ないというか、両方兼ね備えているのに、スターと呼ぶには・・・みたいな選手がいるのも事実なのです。
スターの階段を駆け上がるために必要なもの、それは「大物選手のファンを敵に回すことができたか」and「非難と同じくらい大きな賞賛を得られたか」があったかどうかです。
俊介こと藤川俊介は入団の経緯からしていろいろあった選手です。ドラフト3位以下なら東邦ガス入り、こんな俊介側というか在籍していた近大野球部側の声明を知ってか知らずか、阪神タイガースは5位で指名。すったもんだがあった挙句俊介はプロ入りの意向を固めます。
そして背番号7をもらうことになるのですが、阪神の一桁背番号の選手は何故か大成しない、というジンクスがあり、この7と現在金本が付けている6だけが例外で、あまたの名選手がつけた貴重な番号なのです。
金田正泰から始まり、現監督の真弓明信、そして一昨年までつけていた今岡誠と、顔ぶれからして期待値の低いドラフト5位の付けられる番号じゃない。
ところが強行指名をした手前、阪神側としても最大限の誠意を見せざるをえなくなり、背番号7は俊介のものとなりました。
前年赤星憲広という名外野手を失ったチームは、新人ながら安定した守備力を見せる俊介をキャンプから一軍に帯同させますが、見事期待に応え開幕一軍をゲットします。
2010年のシーズン、控え選手として貴重な存在になり、ついにはレギュラーを期待されるまでになります。

プロ野球を多少ご存知の方なら、なんだ、ごく普通のプロセスじゃないかと思われるかもしれませんが、少なくとも阪神においては普通じゃない。なにしろ野手の育成に関しては12球団下手なのです。(その分投手の育成は上手いんだけど)
とにかく運も実力のうちのプロの世界では「持ってる」のと「持ってない」のでは大違いなのです。
・ドラフトのごたごたでスターらしい背番号7を得た
・守備力の高い赤星が引退したために一定の守備力を持つ俊介は貴重な存在になることができた
そしてレギュラーを目指した今キャンプでは
・競争相手として内野からコンバートされた坂が極度の不振、そして怪我と俊介を脅かす存在になれなかった
かくして俊介は開幕スタメンをゲットし、そして先日の事件へと繋がるわけです。

金本の件に関しては、まあ誰が悪いという問題ではないのですが、翌日のスポーツ紙を見ると俊介が悪者扱いになっており、もちろん一方で弁護する声もあるわけです。
数年前、同じ藤川姓の球児投手が清原和博から「チン◯コついとるんか」と揶揄されたことがありましたが、球児はそれで一気にスターへの階段を駆け上がりました。

さまざまな経緯からいって俊介はスターになるための条件を兼ね備えました。
あとは本当に実力だけ。幸いにも打撃面ではいいスタートが切れましたが、課題は多い。でも彼ならきっと克服してみせるはずです。だってそういう宿命の選手だから。
レッツゴー俊介!