2011年4月19日火曜日

新し物好き

藪似です。アタシより一世代から二世代上の作家さんは「うちに初めて◯◯がきた日」(◯◯には家電製品が入る)みたいなテーマのエッセイを書いておられます。
アタシも真似して書こうと思ったのですが、こいつがどうにも書けないのです。といってもここでも散々アピールしている記憶力の悪さに起因するわけじゃありません。
アタシは1968年生まれなので、幼少の頃にはどこの家にもカラーテレビがありました。だから「初めて◯◯がきた」となると、それ以降の家電になるのですが・・・。

幼少の頃、アタシは何かというと電車で10分ほどの場所にある母方の祖母の家に連れていってもらってました。
この祖母の家がとにかく凄くて、極度の新し物好き。ビデオデッキも(時代からして当然Uマチックです)、馬鹿でかい冷蔵庫も、ポップアップじゃないトースターも、電子レンジも、すでに持ってたのですよ、1970年代前半に。
へえ、たいした金持ちの家だったんだねと思われるかもしれませんがとんでもない。祖母の家屋はその時代でもちょっとあり得ないような、戦後すぐの匂いすらするようなボロ家でして、なのに家電にだけは金を使う、ある意味フシギな一家だったんですね祖母の家は。
そんな家にしょっちゅう行ってたので、その後それらの家電は我が家にっも入ってくるのですが、鮮明な「初めて◯◯がきた」みたいな印象は残りようもない。
パソコンも叔父がワンボードマイコンと呼ばれた時期から趣味でイジってて、TK80なんかを持ってましたし、その後のCDプレーヤーやレーザーディスクも然り。とにかく目新しいものは祖母の家か叔父の家にあるという状態だったんです。

そういえば毎年一番の楽しみが叔父にエレクトロニクスショーに連れていってもらうこと、なんて時期がありました。まだ電卓でも採用例が少なかった液晶のディスプレイにカラー動画が映っていた時の感動は今でも忘れません。
つまりはアタシもちゃっかり新し物好きの血を受け継いでいるわけです。
が、最近は心ときめく新製品があまりありませんね。それだけ技術が成熟してきたのか、それともアタシが年をとったのか。
いや、単純に金がないだけだな。買えないから心が動かねえなと思い込もうとしているだけで。