2011年2月27日日曜日

サザエさんの本性

藪似です。ひとつだけ訂正を。TwitterにてUKにあるスーパーの名称を「マークアンドスペンサー」と書いていたのですが、正しくはマーク「ス」アンドスペンサーでした。
友人から指摘されたのですが、それじゃ阪神の微妙外国人だよと言われてしまいました。スペンサーはあのスペンサー(どの?)、マークは超人マークのヒッティングマーチでお馴染みのマーク・ジョンソンですね。(こんな説明でホントにいいのか)

さてそんな前置きとは全然関係ない話です。
カツオのキャラクターが、もちろん「サザエさん」の登場人物のカツオですよ。そのカツオが漫画とアニメではまったく違うキャラクターだというのはファンの方なら御存知でしょう。
アニメのカツオは快活だが頭が悪く、しょっちゅうサザエや波平に叱られています。しかし漫画のカツオは、まあいや正反対で、テストの点数は悪いが頭脳は明晰すぎるほど明晰で、才気が走り過ぎて虚無的になる傾向すらあります。
第一サザエや波平に叱られるどころかむしろやり込めてしまう。簡単に小学生である自分に丸め込まれたり、つまらないことで悩む大人を見て、ますます虚無的になるカツオ。
家族の中で一番の知恵者が小学生という設定こそ漫画サザエさんの魅力であるのですが、アニメはそうした設定を取り払い、頭は悪いが天然で誰からも愛されるワカメを優等生にするなど、キャラクターバランスを大幅に変更しています。
どういう理由でこれほどまでの変更が行われたのかわかりませんが、この変更によって、どっちがいいかという問題はさておき、漫画とアニメはまったく別物になっているわけです。
ところが最近「カツオくん」という歌を初めてフルコースで聴いてぶっ飛んだわけです。
作詞は北山修。元フォーク・クルセダーズで現在精神科医の北山修です。北山はこの「カツオくん」の歌詞に、あきらかに原作のイメージを持ち込んでいます。
才気走り過ぎ、また自分の美貌に苦悩する少年カツオの姿をね。
作曲はもちろん筒美京平なのですが、ところどころ歌謡曲調になるものの、ブルースになってるのがすごい。

さてこの曲、れっきとしたシングル盤として発売されたもので、ただし「カツオくん」はB面。A面は「レッツ・ゴー・サザエさん」という曲で、これまた北山・筒美コンビ作です。ということはやはり原作のイメージが濃厚で、サザエさんのキャラが完全に原作ベースになっています。
そしてここがポイントだと思うのですが、「カツオくん」は二代目カツオ声優の高橋和枝が、「レッツ・ゴー・サザエさん」は加藤みどりが歌っているのがミソであり、キャラクターの声を当てた本人が歌うことによって奇妙な漫画アニメ折衷感を出しているのです。

アニメの制作スタッフもおそらく原作との乖離は自覚しているのでしょう。原作色を出したい時は「レッツ・ゴー・サザエさん」をBGMに使うのは恒例になっています。
予告編はずっと「レッツ・ゴー・サザエさん」のアレンジだし、昨年末に「サザエさん」枠内で放送された、長谷川町子のコミックエッセイの走りともいえる「サザエさんうちあけ話」をアニメ化した際、ブリッジに使われたのは「レッツ・ゴー・サザエさん」のオープニングでした。
このように、特に「レッツ・ゴー・サザエさん」は、漫画とアニメの接着剤のような役割を果たしているんですね。

ま、よくよく考えてみれば当たり前レベルの話なのですが、あまりちゃんと指摘している人がいないので書いてみました。
次回はまた別の話を。