2011年2月11日金曜日

松本人志の流儀

藪似です。ダウンタウンについてちゃんと書くのは久しぶりなので緊張しています。

かつてダウンタウンネタで名を上げた(上げてない上げてない)アタシですが、見てないとはいえ興味なくなったわけではありません。今回取り上げる「松本人志のコント MHK」もまだテレビを買う前だったのですが、こういうのはさすがにチェックしています。
放送されてからだいぶ時間が経つし、あらかた語り尽くされているのは承知していますが、松本人志が久しぶりにテレビでコントをする、しかもNHKで、となればやっぱり書かずにはおれないわけで。
さていきなり結論ですが、アタシ的にいえばボチボチ、といったところでしょうか。

思えば「ごっつええ感じ」も抜群に面白い、そしてクオリティの高い番組だったけど、意外と爆笑できるポイントは少なく、あえて浜田を配置しない、もしくは浜田をツッコミとして使わないことによって、笑いを弾けさせないコントが多かったように思います。
だから「松本人志のコント」でも笑えるコント=面白いとは最初から思っておらず、それよりいかに松本ワールドが見れるかだけを注目していました。
アタシが思う松本ワールドとは、ひとくちにいえば「物悲しさ」です。毒やアクや残虐性ではなく物悲しさなんですね。社会から弾き出された弱者がギリギリまで追い込まれて、発する言葉の悲しみとおかしさ。それがまた見られるかなとそこだけは期待してたんです。
しかし残念ながらそういうコントはひとつもありませんでした。さすが無数の名作コントを作り上げただけあって、どれもそれなりによくまとまってるし、笑えたかどうかだけで計るなら、下手したら「ごっつ」よりも笑えたかもしれない。

話は変わりますが先日やってた「志村けんのだいじょうぶだぁスペシャル」を見るとはなしに見てて心底ガッカリしたんです。王道コントの王様志村けんがオチのないコントばかりしている。しかも若手でもやらないくらい練り込みが足りない。
志村けんの番組を見たいとすれば、それは志村ワールドが見たいからでしょ。なのに志村ワールドを感じられない。

冠付きのコント番組は面白いだけじゃダメなんです。冠がついてるくらいなんだからワールドになってないと冠をつける意味がない。極端にいえばそんなに笑えなくてもいいんですよ。
だからね、どんなに笑えても、イマイチ松本ワールドが感じられなかったんじゃ、ボチボチ、という以外ないんです。