2011年6月10日金曜日

ハイブリは何故失敗したか?

藪似です。以下の引用は今年の1月28日にアタシがツイートしたものです。
ハイブリの中身がアドエスだったらなーと心から思う。別に3GとかWM6.5とかいらないんだよ。ハイブリはカタチは好きなんで内部的な出来の悪さがつくづく惜しい

CPUもギガじゃなくてもPX270でよかった。バッテリ駆動の時に極端に遅くなるのに重い6.5が軽快に動くわけないだろ。あとどうもメモリかメモリバスが足引っ張っ てるらしいし

ハイブリもネゴの速さとかテンキーでの文字入力の時もたつきが少ないとか良い部分はあるんだけどね。全体的に残念すぎる
軽く説明しますと、ハイブリとはウィルコムから発売されたシャープ製WindowsMobile機HYBRID W-ZERO3のことで、アドエスとはハイブリの二世代前の機種W-ZERO3adesのことです。
ハイブリに関して言いたいことは先の引用に集約されています。わざわざ昔のツイートを引っ張ってきたのは、ちょうどiPhoneを買った頃のもので非常に生々しい意見だからです。
今アタシはハイブリをほとんど使っていません。ハイブリのW-SIMは電話とメールしかできないnicoに挿さりっぱなしで、ハイブリは電源が入れられることすら稀です。つまり現在のアタシはハイブリにたいして物申すことができないほど触ってないのです。
にも関わらず何故今になってハイブリについて書こうかと思ったかといえば、ウィルコムももう少し違った展開があった気がするからなんですね。

10年ほど前までウィルコム(というかDDIポケット)はモバイルにおいて業界最高の通信速度を誇っていました。ケータイ各社で3G通信が始まりすぐに業界最低になりましたが、それでも体感的な通信速度はけして3Gに劣らなかった、そう思っています。
2005年になってウィルコムは国内初の本格的スマートフォン、W-ZERO3を発売します。実はスマートフォンというカテゴリでいえば業界最速ではないのですが、それまでのスマートフォンはとてもじゃないけど「まともに使える」シロモノではなく、本エントリの趣旨とは異なりますがこれも体感的最速といえるでしょう。

よくケータイ機種のスピードを表す言葉に「もっさり」というものがありますが、ZERO3シリーズはけして高機能なCPUを積んでいたわけではないのに、少なくとももっさりではありませんでした。WindowsMobile機の宿命で速いとまではいえませんでしたが、よくチューニングされており、十分実用に堪えるモノになってたと思います。

ところが昨年発売されたハイブリは酷い出来でした。仕様面でもチューニング面でも、よくこれで発売できたなと思わせる出来で、どう足掻いても(つまりカスタマイズしまくっても)激もっさりでした。
ハイブリの仕様が発売された当初、シリーズで必ず搭載されていたフルキーボード廃止にばかり批判がいきましたが、それは別にどうでもよかったんですよアタシはね。

やっぱり何が問題かといえば、こんな未完成な機種を発売してしまったウィルコムにあるわけで、たいしたことないCPUしか搭載できないのはしょうがない。でも、何で、体感的なスピードをもっと大事にしなかったのか、悔やまれてなりません。
フルキーボード搭載はZERO3シリーズの魂だったかもしれないけど、それをいうなら体感的スピードはウィルコムの魂だったはずで、もっさりもっさりといわれた京ぽん2ですらハイブリと違って未完成と思わせるようなものではなかったですからね。(京ぽん2は買ったことないけど代替機として一ヶ月ほど使用してました)

魂を失ったからウィルコムはこうなった、とはいいません。でも、そこだけは死守してほしかったってのが10年近くウィルコムを使ってきたユーザーの本音なんですがねぇ。