2009年4月30日木曜日

ブラックボックス

何だか自分がとんでもなく浮き世離れしているのではないかと思うと夜も眠れない。

先日小学校の先生が児童の胸ぐらをつかんだとかで最高裁までいった裁判があった。いくら体罰は厳禁とはいえ、悪いのはあきらかに児童の方であり、いや、どっちが悪いかは置いておいたとしても、これが最高裁までいくような問題なのかと思ってしまう。
また例の、某グループの全裸事件も疑問を持たずにはいられない。仮に見せしめという要素があったにしろ(そもそも「見せしめ」が許容されていることに疑問を感じるが)、そんなに大騒ぎするほどのことなのかね、と思ってしまう。
まあ逮捕うんぬんはその時の状況がわからないので何ともいえないが、アンケートなんかを見ると「社会人として失格」みたいな意見が思いの外多いことに驚く。

もう正直にいえば世論が狂ってきてるとしか思えない。
少しでも良しとされてないこと、たとえば電車の中でのケータイの通話とか、喫煙とか、とくにネット上の糾弾の仕方が半端じゃない。
そりゃ良くはないと思うよ、全裸もケータイマナーが悪いのも路上喫煙も。でも極悪人呼ばわりして、社会から抹殺しようとする姿勢の方がはるかにコワい。
一度でも躓いた人間はこの世から消えてなくなれー。
いつからこんな意見がまかり通る世の中になったのか。人殺しとかじゃない。たとえ軽微なミスでも社会から抹殺しようとする、そしてそれが当然という顔をしている。

そんなに人間は完璧な生き物なのか。ミスもせずに、軽微な犯罪も犯さず暮らしていけるものなのか。
いったい何なんだと思ってしまう。無難にやったもん勝ち。バレないようにやったもん勝ち、の世の中なのか。

みんなネットのせいにするかもしれないが、何かあんまり関係ない気がする。何しろこれだけの不況である。昔ならデモでも何でもやって、何とかしようという声が高まっていたはずだ。
が、今は違う。政治にしろ経済にしろ、そして某芸人が抹殺されたことでもわかる通り芸能界にしろ、あまりにもブラックボックス化されすぎて、諸悪の根元がどこなのかさっぱりわからない。
だからわかりやすい、表層化された部分だけが叩かれる。
とどのつまり、社会への不安からくるフラストレーションが行きどころがなくなった結果のようにも思う。
本当は諸悪の根元をさぐるメディアとして、ネットはもっともっとがんばらなきゃいけないのだが、デモや市民運動とは違い、いかんせんまとまりがなさすぎる。

とはいえ、もうこれからは、もっとこういう傾向が顕著になるような気もする。ブラックボックス化はどんどん進み、ネット上の意見はますます拡散される。
それが当たり前になりつつある。つまりズレているのは世論ではなく自分だけなのだろうか。
うーん、本当にいったいどうなってしまうんだろう。知らないですませていいんだろうか。