2011年10月29日土曜日

大洋がいっぱい巨人が二敗

Youtubeにね、1976年の大洋対阪神戦のラジオ中継がアップされてて。
いやー、これはすごい。1976年といえばちょうどアタシが野球という摩訶不思議なスポーツを見始めた頃でして、そういえば「1976年のプロ野球について徹底的に調べて書きたい」とかいってたんですよね。いまだに実現できていませんが。

さてさて
エントリタイトルはアラン・ドロン主演の映画タイトルのモジリです。こういうダジャレが昔流行ったんですな。
てなわけで、今回は野球の話でも阪神の話ではなく大洋→横浜ベイスターズについて書きます。
まあ何かとタイムリーだし。

先のYoutubeのラジオ中継の試合、4番を打ってるのは松原誠という選手で、2000本安打を打った大打者です。
他にも当時まだ若手で後に首位打者を獲得する長崎や、ライオン丸の愛称で親しまれたシピンなんかがスタメンで出てるのですが、これらの選手は晩年トレードに出されてるのですよ。
この後も、屋敷や高木豊、石井琢郎、波留、多村、佐伯といった中心選手がトレードに出されていますし、谷繁や相川といった捕手、さらに内川がFAで移籍し、今また村田の去就が注目されています。
現役の最後まで同球団に在籍したのは、古くは秋山登や平松、おそらく三浦大輔もそうなるのでしょうが、投手ばかりです。野手となると二年連続で首位打者を獲った鈴木尚典くらいしか思いつきません。

今年筒香が出てきたように、横浜は伝統的に野手は育つのですよ。だから野手の新陳代謝はしやすいとはいえる。
しかし、まあFAはともかく、いくら晩年とはいえ主力野手が片っ端からトレードされるのはどういうわけでしょう。

横浜ファンのブログや某巨大掲示板を見ると「チームのガン探し」に躍起です。たしかに練習態度その他でチームに悪影響を及ぼしている主力選手が絶対いないとはいいません。実際暗黒時代を形成するのはそういう選手です。
しかし「相川がいなくなったから投手力が上がる」とか考えるのは、いくらなんでも、で、相川が入ったヤクルトのチーム力は明らかに安定しましたし。

何でもかんでもフロントのせいにするのもね。まあやたらファミリームードだったといわれる大洋漁業所有時代もアレだし、全然やる気ないくせにやたら首を突っ込んでくるTBSもね。その辺はモバゲーになっても劇的に解消されないと思います。

何というか、ベイスターズの野球、てなもんがないんですよ、伝統的にね。
ずっと投手力が弱く、打線は打つけどやたら大味。それがハマればいいんだけど、ハマったのなんて過去に一年しかない。(1960年の優勝はちょっと違う)
それもこれも主力野手が晩年にトレードに出されるというのが効いてるんじゃないかと。

松原も高木豊も石井琢郎も、いわゆる「うるさ型」だったといいます。つまり少しでもチームをよくしようとしてフロントとやりやった。ところがそんなチーム愛がフロントから煙たがられて放出される。この繰り返しなんですよ。
そんなんだから「過去から学習した」選手はフロントに何もいわなくなるだけならまだしも、チーム全体に興味を示さなくなる。挙句FAでさっさと逃げ出してしまうんです。
何もベテランを重用しろってんじゃないんです。たとえベンチでも、たとえ二軍でも、本当にチーム全体を考えるベテランがいるといないでは大違いですよ。彼らの存在で厳しいムードが形成され、伝統が作られていくんだから。

アタシは横浜ファンは本当に気の毒だなあと思ってます。それは現在横浜在住だからなおさらです。
この先、若手選手の成長といった楽しみはあるでしょう。(この辺は逆に阪神ファンはあんまりない)
でもね、チーム力が劇的に改善される、という可能性は、たとえ親会社が代わろうとも皆無に等しい。ひたすら50年に一度あるかないかの大爆発を待つしかないわけで。これは辛いです。

ひとつだけいえるのは、今年指揮をとった尾花や、過去にも古葉や森といった実務派の人が監督をやりましたが、これは人選ミスです。こういうチームの監督は、権藤のようなイケイケドンドンの人の方が相応しい。
どうせ大味なんだから緻密にやろうとかしたら持ち味を殺すだけ。采配云々ではなく、とにかく楽しく全力でプレーさせる監督の方がいい。
となると野村とか絶対ダメ。候補を上げるならボビー・バレンタインとか。
そういう意味では、名前があがってる新庄なんかかなりいい線だと思うのですがね。