2011年7月14日木曜日

貞操帯もの

よくよく考えると「うる星やつら」という作品は、かなりいやらしい話ですよね。
ラムと諸星あたるは、正式なものでないにしろ、高校生でありながら「夫婦」なわけで、いや、「夫婦」だからいやらしいんじゃない。
「夫婦」なのに、一切セックスをしないところがいやらしいのです。
真面目にいえば、少年誌に連載されていたのだがら当たり前なんですが(「ハレンチ学園」だって夫婦になったがセックスレスだったし)、それでも、大人目線でいえばかなりいやらしい。
昔、何の本か忘れましたが、諸星あたるを「童貞ジゴロ」と表現してあって、かなり笑った記憶があります。
あたるは無類の女好きという設定にも関わらず、モテない、ということを抜きにしても、絶対セックスしようとしない。そんなことで頭がいっぱいの高校生でありながら。
いや、それでも原作の方はまだ「ヤりたがってる」空気は出てます。ところがアニメになると、これまた冷静に考えれば当たり前なんですけど、アニメのあたるは、エロ本(といってもビキニのおねーちゃんが載ってる程度)を見てニヒニヒとニヤつくだけで、もしかしたらこいつ自慰行為というものすら知らないんじゃねーかという感じなんですよねぇ。
セックスはおろか、自慰行為すら知らないジゴロ、というのは、もう完璧すぎるくらいにいやらしい。

セックスというのは不思議なもので、一度してしまうと、いやらしくも何ともないんです。その女性とそうなる前が一番いやらしい。
その状態をキープしまくる、もしかしたら一度も自慰行為すらしないまま、ハーレムを夢想する男、あたる。
もしハーレムが実現できたとしも、せいぜいおっぱいをさわるくらいの行為しかしないだろう、と考えると・・・。

ま、妄想はさておき、この当時というか昭和時代の漫画は「貞操帯もの」が多いです。
永井豪作品はいうに及ばずね。
しかし極めつけの「貞操帯もの」は「男はつらいよ」シリーズでしょう。
数十年の間、寅さんは、まあいや貞操帯をはめられたままなのですよ。
なぜ山田洋次はここまで寅さんに禁欲を求めたのか。その答えは以前やってたブログに書いたので省略しますが、もしかしたら「男はつらいよ」シリーズこそ、最高のピンク映画なのかもしれません。