2011年3月7日月曜日

ハチのムサシは死んだのさとナオミの夢と天才バカボン

藪似です。えらく長いタイトルになってしまいました。しかも「◯◯と××と△△」という俺たちの朝式な、旧yabuniramiJAPANTiny式なタイトルですが法則を復活させたわけじゃござんせん。たまたまです。
しかしこの3つ、何となく共通点があるような気がしませんか?

以前昭和という時代の中でたった一曲をあげるなら「若いってすばらしい」じゃないかみたいなことを書きました。が、逆に「何でそこまで売れたのか、さっぱり理解できない」みたいな曲もありましてね、ええ。
アタシの中でそこに入ってくるのが「ハチのムサシは死んだのさ」になるのです。
歌詞的にいえば、まあイカロスの翼あたりをモチーフにしたんだろうけど、いろんな意味で突飛で、その割に深い突っ込み方でもなく、ただ単に変な歌詞としか思えません。
そしてアレンジ、これまた1970年代前半の、何と申しましょうか、流行りの音をとりあえず詰め込めるだけ詰め込んでおけ、みたいなね。洗練さの欠片もない。
その点「ナオミの夢」はね、まだ洗練されているのですよ。ベタさもあるんだけど、少なくとも「ハチのムサシは死んだのさ」に比べるとずっと洗練されている。
「ナオミの夢」は洗練されている分、今の時代に聴き直しても、わりと飽きないのですよ。普遍的な部分があるからね。でも「ハチのムサシは死んだのさ」はすぐ飽きます。二三度聴けば十分というか。

アタシは1960年代後半の生まれですから、この2曲は知ってるようで知らない。もちろん後年知ることになるんだけど、リアルタイムでの記憶はないに等しい。が、改めてちゃんと聴いてみると、いや、この雰囲気は幼少の頃から慣れ親しんだものだぞ、と記憶をまさぐるうちに、意外なキーワードを見出しました。
それが「天才バカボン」で、何度もアニメ化されているので説明がややこしいのですが、要するに一番最初の、1971年に放送が開始されたバージョンです。
「ハチのムサシは死んだのさ」のリリースが1972年、「ナオミの夢」が1971年。「天才バカボン」はほぼ同時期に制作されたことになります。ということは「天才バカボン」の音楽もその時代ならではの音になっているのは当然です。
主題歌の、♪にしからのぼったおひさまが~ってのは、あんまり時代性はないのですが、曲中にながれるサウンドトラックですね、これがモロこの時代っぽい音で、数多く作られたバカボンのアニメの中でも最もファミリー向けといわれる最初のバージョンですが、音楽に関しては一番尖っていたといえるのではないでしょうか。

いや尖ってはないか。時代に流されてたともいえるわけでね。「元祖天才バカボン」なんかは、音でも自らの色をつくってたし。