2009年7月16日木曜日

日曜日よりの使者と1/6の夢旅人2002

まさかここで「愛」を語ることになろうとは、こっぱずかしくて夜も眠れない。

以前「昭和という時代で、たった一曲あげるなら「若いって素晴らしい」のような気がする」というようなことを書いた。
では平成で、もちろんまだ終わったわけではないが現時点で、たった一曲をあげるなら「日曜日よりの使者」じゃないかと考える。
有名な話だが、この曲は甲本ヒロトが仲がよかった松本人志をイメージして書いたといわれるが、軽く調べてみたところ、どうも両者とも言及してはいないようで、憶測の域をでていない。
日曜日、といえば当時松本は「ごっつええ感じ」と、今も続く「ガキの使い」をやってたわけで、歌詞を読んでも容易に想像できるフレーズが並んでいる。
もちろん松本の名前も「ガキ」も「ごっつ」も名前こそでてこないが、山本正之を崇拝する甲本ヒロトらしくストレートだ。
自分は全然記憶にないのだが、一時期「ごっつ」のエンディングテーマになってたようで、しかし、どちらかといえば「ガキ」を連想してしまう曲だ。
自分が初めてこの曲を聴いたのは、ホンダにCMだったと思うが、スキャット部分のみの使用だったにもかかわらず強いインパクトを持った。まさか松本をイメージした(と思われる)曲だとは思わない。
全体を聴いてみてあらためて思ったのは、とにかく咀嚼がすごいということだ。
番組のイメージ、そして松本の素性がわかってないと絶対に書けない歌詞だと思うし、イメージソングでも何でもないのに、これだけ番組をイメージさせてくれる曲を他に知らない。

いや他に一曲だけ知っている。
ここで何度も名前がでてきている「水曜どうでしょう」のエンディングテーマ(正確にはクラシックと2003年以降の新作のみだが)である「1/6の夢旅人2002」だ。
「どうでしょう」はリターンズよりクラシックで見る方が絶対いい。画質がいいとかもあるけど、エンディングテーマがこの曲だからで、そもそもこの番組は感動という要素は一切排除したつくりになっているのに、「1/6の夢旅人2002」がかかるエンディングがつくだけで、何か感動してしまう。
ちょっと問題があった、でも歌詞はほとんど同じの「1/6の夢旅人」よりもずっとよく、「日曜日よりの使者」のような平成でただ一曲、というほどの大傑作ではないが(アレンジはいわゆるメジャーなポップスだし)、それでもメロディの出来が素晴らしく、「どうでしょう」を一段高いところに持ち上げてくれた気がする。
もちろん歌詞もいいのだが、この曲も番組を実にうまく咀嚼しており、サイコロの旅がメイン企画だった頃の番組内容を普遍的な生き方論に見事に置き換えている。
何度もいうが「日曜日よりの使者」ほどの出来ではないのだが、番組を知ってる者からすれば同等の価値が持てる、これこそ真のエンディングテーマではないか。

どっちにもいえることだが、とにかく「愛」を感じる。
そうなのだ。バラエティーといえど、いや、バラエティーだからこそ、愛がなければ本当にいい曲は生まれないのだ。
こういうスタンスで他のミュージシャンにもエンディングテーマをつくってほしいが、他にいるんかねえ。知らんもんなあ。