2012年2月21日火曜日

三菱銀行人質事件を読み解かない

去年の大晦日でしたか、平田信が出頭しましたね。実はめちゃくちゃ軽い因縁があるというか。
アタシが音楽をやってた頃の話です。仕事はそこそこに、それこそ友達の家に入り浸っていたわけです。遊んでたんじゃないですよ。ちゃんと「音楽をやってた頃」と前フリしたじゃないですか。そう、音楽の制作をしていたんです。しかしそんなこと表向きには誰もわかりゃしない。いい若者が昼の日中からブラブラしてるようにしか見えないでしょう。
そんな折りにね、来たんですよ。何がってもちろん警官が。時は1997年、場所は大阪の南部。
まあそれだけじゃ、あのオウムと全然関係ないのですが、アタシはどっちかっていうと、どっちかといわなくても濃い顔だからね。平田信に似てないこともない。しかも友人の名前が平田信と紛らわしい名前で。そこにもってきて昼間から何やらガサガサしてると。まあ近所からタレコミでもあったのでしょう。
もちろんまったく関係ないからね。それで済んだんだけど、何となくオウムの逃亡犯の中でも平田だけは早く捕まれよ、と思っておった、と、まあこれだけの話でして。

さて

今まで何回か猟奇事件のことを書いてきましたが、これらはアタシが生まれる前の事件です。厳密にいえば三億円事件は生まれた後だけど、赤ん坊だったアタシが覚えてるわけないわけでして。
ではリアルタイムで初めて戦慄を覚えた事件は何だろう、と考えた時、やはり三菱銀行北畠支店での立てこもり事件は忘れることができないのです。

さくっと三菱銀行北畠支店と書きましたが、これは後年の知識ではなく当時から脳裏に刻みこまれたものです。もう「猪木のリズムタッチ」と同様、三菱銀行といえば北畠支店、というように完全にセットになってインプットされているのです。(リズムタッチネタ、ずいぶん前に書いた気がするけど、まあいいや)
犯人の名前は梅川昭美。これまた強烈に刷り込まれた名前で、一部の人には「江川梅川」とセットで覚えておられるのではないでしょうか。江川ってのはもちろん江川事件の江川卓なのですが、さすがに梅川とセットなのはかわいそうですな。

立てこもり事件の実況中継といえば、アタシより数年年長の方からすれば連合赤軍によるあさま山荘立てこもりになるのでしょうか。さすがにあさま山荘は覚えていない。でも三菱銀行のやつはもう小学生でしたからね。テレビにかじりついて見てました。
何なんだろうね、あの緊張感と集中力。この事件以後大きな立てこもりがない、というのもあるとは思います。けどそれだけじゃないというか。
いったい中で何が行われているんだろうと。すでに死者も出ているわけですからね。とはいえ小学生ですからエロい想像とかはしないんですが、もし自分が人質だったらどれだけ怖いだろう、と。
人質になるなんて嫌に決まっているわけです。でも想像を膨らませるというのは、どこかで人質願望とまではいきませんが、ああいう極限状態への憧憬みたいなものがあったんでしょうね、その頃から。

まあ後年この事件を調べて、あれ?と思ったこともあって。犯人の梅川ね、ずっとベタベタの関西弁だと思っていたんですよ。でも今聞くと結構訛ってるというか純粋な関西弁じゃないんですね。地方出身者が若い頃に関西に住み着いて身につけた関西弁、とでもいうか。実際そうなんだけど。
もしかしたら関西弁イコール怖い、になったのはこの事件からなんかね。アタシは神戸出身という土地柄、そっち系の人が喋ってるのを何度も聞いていましたが、言葉自体は怖いとは思わなかったからね。でも梅川の関西弁は怖かった。やっぱりあれは・・・いややめとく。